寒い季節に重宝するのが、着るだけで暖かい電熱線ジャケットです。
屋外での作業やアウトドア用に、電熱線ジャケットの購入を考えている人も多いのではないでしょうか。
しかし、「どのくらい電力を消費するのか」「やけどや火災の心配はないのか」など、電熱線ジャケットについて不安に思うことも多いですよね。
そこで、今回は電熱線ジャケットの特徴について、消費電力や発熱温度などを中心にご紹介します。
目次
電熱線ジャケットとは?
電熱線ジャケットとは
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一般的に、電熱線ジャケットは、ジャケット部分と発熱体、バッテリーから構成されています。
ジャケットに発熱体を装着し、バッテリーを接続することで、電気の力でジャケットが暖かくなるという仕組みです。
電熱線について
電熱線とは
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電熱線には、電気を通しにくい、つまり電気抵抗の大きい金属が使われます。
電熱線に使われる代表的な金属線は、ニッケルとクロムを合わせたニクロム線です。
電気抵抗の大きい金属に無理やり電気を流すことで、火を使わずに熱を得ることができるのです。
なお、電熱線は、身近な電化製品にも使用されています。
例えば、トースターやヘアドライヤー、電気ストーブなどに使われているのを見たことがあるでしょう。
電熱線を利用したジャケットのメリット
そんな電熱線を利用したジャケットのメリットをご紹介します。
まず、電熱線ジャケットの暖かさは、ほかの防寒服の比ではありません。
一般的な防寒服は、風を通しづらい「防風」や、着ている人の体温を逃しづらい「保温」といったアプローチで防寒性を高めています。
それに対し、電熱線ジャケットは、電気の力で発熱する仕組みです。体から発する汗と反応することで「発熱」をうたう商品もありますが、電熱線ジャケットの発熱量には到底及びません。
電気の力を利用した電熱線ジャケットは、抜群の暖かさを誇ります。
また、1枚着用するだけで暖かさを実感できるので、重ね着による着膨れの心配がありません。
スマートなシルエットを保ったまま防寒することができるのも、電熱線ジャケットの大きなメリットです。
体の動きを妨げないので、活動量の多い日でも着用しやすいでしょう。
なお、電熱線ジャケット自体は昔からある製品ですが、近年は機能だけでなく、見た目も進化しています。
ジャケットといっても、ジャケット型やベスト型など、電熱線を利用した服にはさまざまな種類があります。
普段使いしやすい見た目の商品も増えているので、用途に応じて好みのものを選びましょう。
電熱線ジャケットの消費電力
さて、電熱線ジャケットの消費電力について考えたことがあるでしょうか。
電熱線ジャケットの使用シーンとして、思い浮かぶのが冬のツーリングです。
電熱線ジャケットをバイクにつなぎ、充電しながら走行するということもあるでしょう。
その際に、電熱線ジャケットの消費電力が大き過ぎると、バイクのバッテリーが上がってしまう恐れがあります。
突然バイクが動かなくなってしまうだけでなく、最悪の場合、バッテリーに損傷を与えて火災を引き起こすことも考えられます。
そのため、電熱線ジャケットの消費電力を把握しておくことはとても重要 です。
製品の表示を見ると、一般的な電熱線ジャケットの消費電力は、40〜80W(ワット)程度であるとされています。
もちろん、消費電力は電気代にも関係するので、知っておいて損はないでしょう。
電熱線ジャケットの発熱温度
電熱線ジャケットは、実際どれくらい暖かいのか気になりますよね。
電熱線ジャケットの発熱温度は、商品によって差がありますが、おおむね40〜65度程度です。数字だけ見ると、「熱過ぎるのではないか」と思うかもしれません。
しかし、着用時の体感温度は少し下がるので、心地よい温度だと感じられるでしょう。
また、多くの電熱線ジャケットには、温度調節機能がついています。
外の気温や自身の好みに合わせて、最適な温度に設定することが可能です。
電熱線のデメリット
電熱線ジャケットのメリットについてご紹介しましたが、もちろんデメリットもあります。
代表的な注意事項を見ていきましょう。
一番気をつけたいのは、「低温やけど」
電熱線ジャケットを着用するうえで、多くの人が気になるのは「低温やけど」ではないでしょうか。
低温やけどとは
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先にも述べたように、電熱線ジャケットの発熱温度は40〜65度程度と、低温やけどを起こしやすい温度なので注意が必要です。
低温やけどは、低温の熱源が長時間にわたり体に触れることによって発生します。そのため、すぐには自覚しづらいのが特徴です。
本人がやけどに気づいたときには、すでに重症化していたということも少なくありません。
ひどい場合は、細菌感染を起こしたり皮膚に後遺症が残ったりすることもあります。
こうした低温やけどを防ぐために、電熱線ジャケットの使用時には以下の点に注意しましょう。
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これらの防止策を忘れずに、適切な使用を心がけましょう。
火災を起こす可能性がある
火を使わない電熱線ジャケットでも、火災を起こす可能性があります。
電気ストーブや電源コードが出火原因という、火災のニュースを聞いたことがあるでしょう。
電気による火災、いわゆる「電気火災」は毎年あとを絶ちません。
電熱線ジャケットによる電気火災を防ぐためには、以下の点に注意しましょう。
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電源を切ったあとも、しばらくは電熱線ジャケットに熱が残っています。
着用後の電熱線ジャケットの取り扱いにも、十分気をつけましょう。
断線しやすい
電熱線ジャケットには、劣化によってコードが断線しやすいというデメリットがあります。
断線したまま無理に使用を続けると、思わぬ事故の原因になりかねません。
異常を感じた場合は、すぐに使用を中止しましょう。
また、断線を起こしかけている部位がないか、コードの状態はこまめにチェックしてください。
瞬間発熱のカーボンナノチューブフィルムユニット
ここからは、電熱線よりも安全性や機能性に優れた素材についてご紹介します。
カーボンナノチューブフィルムユニットとは?
国内特許を取得し、国際特許も出願しているカーボンナノチューブフィルムは、電気を流すと素早く発熱。
軽量で暖かく、安全性にも優れています。
このフィルムを保護膜で挟んだカーボンナノチューブフィルムユニットは、柔軟性があり、水洗いにも対応できるため、衣類用のヒーターとして理想的な素材であるといえるでしょう。
電熱線のデメリットを解決したカーボンナノフィルム
電熱線のデメリットを解決した、カーボンナノフィルムの特徴をご紹介します。
低温やけど回避機能
安全プログラムのひとつとして、経過時間に応じて自動で電流を止める機能がついています。
それにより、低温やけどのリスクを低下させることができます。
温度制御システム
高精度サーミスタを搭載することで、安全性の高い温度制御システムを実現します。
温度センサーからのフィードバックを受けて、自動的に電気のオン・オフを制御。
設定温度が一定に保たれ、安全性を高めるとともに、節電効果にもつながります。
スマートウォッチ・スマートフォンを使用した遠隔コントロールも可能
ヒーターの温度は、付属のコントロールボタンで手軽に調節可能です。
また、Bluetoothに接続すれば、お手持ちのスマートウォッチやスマートフォンからも遠隔コントロールができるようになります。
瞬速発熱
着た瞬間から暖かさを実感できる、瞬速発熱。
約1秒で設定温度に到達するので、暖かくなるまで待つ必要がありません。
面状発熱
多くの電熱線ジャケットは線状発熱であるのに対し、カーボンナノチューブフィルムユニットは、面全体が均一に発熱する面状発熱です。
波長6〜14μmの遠赤外線を放出することで、全面をムラなく温めます。
カーボンナノチューブフィルムユニットに内蔵されているヒーターシートの厚みは、わずか5〜10μmです。
そのため、ユニット最薄部は0.3mmという圧倒的な薄さを誇ります。
超軽量
質量は、1㎤あたりわずか0.001g。
超軽量なので、着用時に重量感がなく、体の動きを妨げません。
水洗いできるヒーター
給電用のUSB端子を含め、ヒーターユニット全体を水洗い可能です(40回以上性能保証)。
衣類ごと洗濯機で水洗いできるので、着用時に汗をかいても、清潔に保つことができます。
まとめ
電気の力で体を温められる電熱線ジャケットは、寒い季節の味方です。
一方で、使い方を誤ると、低温やけどや火災を引き起こすリスクがあります。
そんな電熱線のデメリットを払拭するために、開発された「カーボンナノチューブフィルムユニット」には温度制御システムや、低温やけどの回避機能等、様々な機能を搭載しています。
電熱線よりも安全性が高い、「カーボンナノチューブフィルムユニット」を使用した製品が数多く登場することが期待されるでしょう。
そんな安全で暖かい製品により、寒い季節も活発に過ごせるようになる未来も近いはずです。