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炭素繊維が広く活用される理由は?その特徴や組織構造、用途について解説

炭素繊維
比較的身近な素材「炭素」でできた炭素繊維は、多くのシーンで活用されています。
この記事では、炭素繊維の特徴やその活用先、炭素からできている新しい温熱素材「CNTフィルムユニット」について解説します。

炭素繊維(カーボン繊維)って何?

炭素繊維(カーボン繊維)って何? 炭素繊維(カーボン繊維)とは、そもそも何でしょうか。まずは基本的な内容から説明します。

炭素繊維とは

炭素繊維とは、炭素という比較的ポピュラーな物質の含有率が極めて高い繊維を指します。
主にはアクリル樹脂や石油、石炭からとれる有機物を繊維化し、特殊な熱処理工程を経て作られています。非常に細かい繊維素材です。

炭素繊維のさまざまな特徴

炭素繊維には、炭素の特性を活かしたさまざまな特徴があります。そのユニークさは、多くの物質の中でも特筆すべき点でしょう。こうした特徴を活かし、多くのプロセスや豊富な用途に使用されています。

高い強度と弾力性がある

まず炭素素材は、高い強度と弾力性があります。炭素はダイヤモンドを作る成分としても知られており、その強度は有名です。また繊維化すると弾力性が生まれ、強度の高い素材となります。

密度が低いため軽量

次に、炭素素材はとても軽い素材です。その理由は、炭素繊維の密度が低いから。密度が低いと通常は繊維が壊れやすくなるため、密度を高めます。しかし炭素は強度があるので低密度のまま成立し、その結果とても軽くなるのです。

クリープ速度が低いので変形しにくい

クリープ速度とは、時間とともに物質が変化する速度のこと。炭素繊維はこのクリープ速度が低いので、組織が変形しにくいという特徴があります。よって、一度作った繊維素材は、比較的壊れにくくなります。

振動減衰性に優れ、エネルギーを効率的に使用

振動減衰性とは、摩擦などの抵抗力によって失われる、振動のエネルギー消費を指します。熱エネルギーは振動エネルギーによって生まれるもの。炭素繊維は優れた振動減衰性があるので、振動エネルギーを効率的に熱へ変換できるのです。

化学的に変化、劣化しにくい

炭素繊維は化学的にも変化・劣化しにくいという特徴があります。よって製品化した際にも、比較的劣化や故障を先延ばしにすることが可能です。

熱伝導率がよい

炭素繊維は熱伝導率がよい素材としても知られています。この熱伝導率が高いと銀や銅などのように熱を伝えやすくなるので、ヒーターの発熱部分などの素材として活用されています。

高い導電性を誇る

炭素繊維は、電気の伝えやすさを示す「導電性」も高いです。電気をスムーズに通すため、電気を用いた温熱器具などに使用されています。

炭素繊維の用途

炭素繊維の用途 さまざまな特徴をもつユニークな素材、炭素繊維。その特性を活かし、すでに多くのシーンで活用されています。その活用先を業界ごとに紹介しましょう。

自動車業界

まず自動車業界では、街中をよく走っている自動車や軽自動車から高性能なレーシングカーなど、多くの自動車内のフィラメントや熱可塑複合材料などとして使用されています。炭素繊維を用いることで、車体重量の軽量化や強度・安全性の向上などに貢献しています。

航空業界

次に航空業界では、一般的な航空機から軍用の航空機、ヘリコプター、無人航空機の機体などに炭素素材が活用されています。炭素素材による軽量化と強度の増強により、より安定した飛行が実現しているのです。
さらにこの繊維や加工品は宇宙用途に幅広く使われているため、将来民間人の宇宙旅行が一般化した際には、炭素繊維とともに空を飛ぶことになるでしょう。

建設・建築業界

炭素繊維は建設・建築業界でも利用されています。軽量で高い強度と柔軟性を発揮するため、新築する建造物の天井部分や柱部分や、既存建造物の鋼鉄部分を補強する用途で数多く使用されています。建物の耐震性能の向上にも役立っています。

その他業界

炭素繊維はそのほか幅広い業界で、産業用プラスチック・産業用樹脂の素材としても活用されています。炭素繊維が使われている産業用プラスチックなどは、とても軽量かつ強度が高いのが特徴です。
そのため、ノートパソコンや液晶ディスプレイ、プロジェクター、カメラの筐体など、サイズを大きくしたくないものの強度が必要な部分に使用されています。

スポーツ業界

スポーツ業界においては、炭素繊維の弾力性や軽さ、劣化しにくい特性などを活かして、さまざまなスポーツの製品に活用されています。
例えば、さまざまな球技のラケットやスキー・スノーボードの板、ホッケーのスティック、釣竿、ゴルフクラブなど、上げるとキリがないほどです。

あなたが所有しているクラブやラケットなどに、炭素繊維が使用されている可能性は高いでしょう。

アパレル業界

炭素繊維はアパレル業界でも重要な役割を果たしています。それは温熱素材としての役割です。温熱素材はこれまで、ニクロム線などの金属線でできた「電熱線」が使用されてきました。しかし今後は、炭素特有の熱伝導性や導電性を活かした温熱素材が数多く発売されるとみられています。

炭素繊維のひとつ「カーボンナノチューブ」とは

炭素繊維のひとつ「カーボンナノチューブ」とは 炭素繊維でできた素材のひとつが「カーボンナノチューブ」です。その特徴から、布地に付加してアパレル製品として活用されることが期待されています。

カーボンナノチューブの特徴

カーボンナノチューブは、炭素原子が網状に組み合わさっていて、ナノレベルで極細のチューブ状になっている素材です。
一層でも成立するため、非常に薄い状態を保ちながら広範囲まで広げられます。炭素ならではの強度の高さや弾力性などを活かした素材です。

カーボンナノチューブはいつ生まれた?

カーボンナノチューブは、1997年に日本の研究者によって発見されました。当時からその特性が注目を浴び、量産化に向けた研究が長く進められています。

JERNANO(ジェイナノ)が量産化に成功した「CNTフィルムユニット」

JERNANO(ジェイナノ)が量産化に成功した「CNTフィルムユニット」 このカーボンナノチューブの量産化に成功し、ノウハウを保持しているのが、中国企業のJERNANO(ジェイナノ)です。その技術は「CNTフィルムユニット」として世に出ており、すでに日本支社を設立、日本での展開も期待されています。

CNTフィルムユニットとは

CNTフィルムユニットは、カーボンナノチューブでできた網状の極薄フィルムを断熱膜で挟み、製品化したソリューションです。熱を変換する性質に優れ、薄くて柔らかく、洗えるなどの特徴があります。ウェアラブルヒーターなどの製品に向いている素材です。

CNTフィルムユニットの魅力

CNTフィルムユニットの魅力 炭素繊維やカーボンナノチューブの特性を活かしたCNTフィルムユニット。さまざまな特徴があります。

熱伝導率が良いので、瞬間的に面状発熱する

CNTフィルムユニットは熱伝導率の高さを活かし、瞬間的に発熱します。
フィルムユニットの一端から電流を送ると、最短1秒で設定した温度まで上昇。面状に発熱するので、製品内での温度ムラが起きにくくなります。 この特徴から、電気毛布や電気ブランケットなどをすぐに暖めることが可能です。

非常に軽くて柔らかい

CNTフィルムユニットは非常に軽量で柔らかいので、布地につけて製品化するのに向いています。
ダウンやポリエステルなどの軽い素材はもちろん、ニットなどの重い素材につけても、あまり重さが感じられません。 また弾力性や柔軟性に優れているので、スポーツウェアへの利用も検討できます。

水洗い可能

現在販売されている電気毛布や電気ひざかけなどは、コードなどがあるコネクタ部分を外して手洗いできる製品が多いです。ただし内部に入っている電熱線部分が断線しないよう、細心の注意が必要でした。 しかしCNTフィルムユニットは水洗いが可能で、洗濯機洗いにも対応しています。開発時のデータでは、通常の洗濯機洗いに耐えることができました。よって製品を自宅で気軽に洗えるでしょう。

折り曲げに強い

上記の通り、CNTフィルムユニットは洗濯機洗いに耐えられるほど折り曲げに強いです。フィルム自体が断裂する心配もかなり低いといってよいでしょう。アパレル製品にした際にも、より清潔に利用できます。

低温やけど回避機能つき

温熱素材は、低温で長時間使用すると低温やけどを引き起こす危険性があります。そこでCNTフィルムユニットには、長時間操作がない場合に電源を自動的に切る「低温やけど回避機能」を付加しました。最新システムによって、ユーザーの安全が守られます。

CNTフィルムユニットの用途

CNTフィルムユニットは、すでにさまざまな用途で製品化が検討・実現されています。

日常使いの温熱製品

まず、電気ブランケットや電気毛布、電熱ベストなど、日常的に使用する温熱製品に搭載されています。軽くて柔軟性があり、安全性にも優れているので、使用する際にも安心できるでしょう。

アウトドア製品

温熱製品は寒い時期のアウトドアで真価を発揮します。CNTフィルムユニットを使用した寝袋や登山靴などが開発できます。

体をケアする製品

CNTフィルムユニットは薄くて軽量なので、腰やひざを暖めるケア製品にも搭載可能です。熱によって日々の痛みを和らげる効果が期待できます。 これ以外にもさまざまな用途での利用が計画されています。
ソリューション

まとめ

炭素繊維は特有のユニークな性質を多数もち、自動車業界や航空業界などさまざまなシーンで活用されています。
その特性を引き継いだカーボンナノチューブやCNTフィルムユニットは、今後温熱製品への利用が期待されます。

製品化を検討される方は、ぜひJERNANOジャパンの公式窓口にもアクセスしてみてください。
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