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電熱ベストは事故の危険性あり!賢い選び方や対策法を知って安全に使おう



電気の力によって暖かくなる「電熱ベスト(ヒーターベスト)」。冬に屋外で作業される方や寒い地域の方などに愛用されています。

しかし電熱ベストは、安全性について指摘されることがあります。実際に過去に電熱ベストが原因で事故も起きている様子。本当に安心して使用できるのでしょうか?
そこでこの記事では、電熱ベストが発熱する仕組みを説明した上で、電熱ベストによる事故事例や、事故を防ぐための対策について解説します。また新しい温熱素材についても紹介しますので、ぜひ今後の商品選びの参考になさってください。

電熱線による発熱で体を温める「電熱ベスト」

まずは電熱ベストの仕組みから解説します。電熱ベストはその中に電熱線が配置されています。
電熱線とは 電気を通すことで発熱する金属線のこと。主にニクロム線が使われています。
電熱ベストは基本的にそのままでは使用できず、バッテリーにつないで内蔵のヒーターを充電してから着用するのが特徴です。
ベストの素材は、そのままでも暖かいダウンタイプや、ヒーターを付けて使用する薄手のタイプなどさまざま。使用シーンも、ウインタースポーツや釣りなどのアウトドアから、朝リビングでエアコンを付けるまでの短時間など、人によって異なります。あなたに合った電熱ベストが見つかれば、寒い時期でも快適に過ごせるでしょう。

電熱ベストは危険?実際の事故事例を紹介

寒いシーンで大活躍の電熱ベストですが、過去に事故が起きています。その事例をご紹介しましょう。

電熱ベストの事故事例①:電熱ベストのバッテリーから発火

電熱ベストを使用する際は内蔵のヒーターにバッテリーをつなげるのですが、このヒーターやバッテリーから発火する事故がこれまで複数報告されています。
例えば栃木県内では、2020年3月、電熱ベスト用のリチウムイオンバッテリーから出火したことで火災が発生しました。
参考:消費者庁「消費者安全法の重大事故等に係る公表について」
また火災には至らなくても、「電熱ベストを着ていたら急に熱くなった。脱いだらヒーター部分が燃えて、ダウン部分に穴が空いていた」などの事故もあるようです。くれぐれも注意したいですね。

電熱ベストの事故事例②:長時間の着用が原因で低温やけど

電熱ベストで気をつけたいもうひとつのトラブルが、低温やけどです。
低温やけどとは 40度〜50度の低温で起きるやけどのこと。
電気あんかや電気毛布、そして電熱ベストなどで起きる可能性があります。
高温によるやけどはすぐに気づきますし、やけども皮膚の表面にとどまることが多いです。しかし低温やけどは本人も熱さを感じにくいので、結果的に皮膚の深い部分までやけどしてしまいます。そうすると治療時間が長くなるだけでなく、やけどの跡まで残ってしまう可能性が高いのです。
寒いからといって長時間の利用はせず、定期的に電源をオフにするといいでしょう。

他にもある!電熱ベストの危険性

電熱ベストにはこれ以外にも使用上の注意点があります。それぞれのリスクを把握した上で、電熱ベストを利用すると安心でしょう。

電熱ベストの注意点1. 電熱線が断線することがある

1つ目の注意点は、電熱線が断線する危険性があることです。電熱ベストに内蔵されている電熱線は金属でできた線なので、折り曲げにそこまで強くはありません。
もちろん各メーカーで安全に使用できる工夫をしているものの、商品によっては電熱線の断線が原因で発火、火災の原因になる可能性があります。

電熱ベストの注意点2. 脱水症状のリスクがある

2つ目の注意点は、脱水症状が出る危険性があることです。脱水症状とは体内の水分量が減少することで起こる体調不良のこと。頭痛や腹部の不快感、日中なのにひどく眠いなどの症状が出てきます。
冬は脱水症状と無縁に思えますが、空気の乾燥や、寒さによって水分をあまり摂らなくなることで、脱水症状が引き起こされるかもしれません。 特に電熱ベストでぽかぽかと暖かくなり、汗まで出てくるようだと要注意。しっかり水分補給をしましょう。

電熱ベストの事故を防ぐために。電熱ベストの賢い選び方

電熱ベストは危険性があるとはいえ、暖かい電熱ベストを利用したい方は多いはずです。そこで事故が起きにくい電熱ベストの選び方をご説明します。商品選びの参考にしてみてくださいね。

電熱ベストの選び方1. 価格よりも「安全性」を重視する

電熱ベスト選びの大原則は、価格よりも安全性を重視することです。どんな商品でも同じですが、機能性よりもつい価格を優先することはありませんか?
危険性のない商品であれば安さ重視で問題ないと思います。しかし電熱ベストは事故につながる可能性があるので、安全性や機能面を重視して商品を選ぶようにするといいでしょう。
実際にどのような安全機能がついているか、それが公式サイトなどにしっかり明記されているか、トラブル時の問合せ先はあるかなどを調べるといいですよ。

電熱ベストの選び方2. 安全性の高いバッテリーを使用する

電熱ベストの事故原因になりやすいのが、充電用のバッテリーです。このバッテリーが粗悪品だと、そもそも電熱ベストが充電できないこともあります。
まず電熱ベストを購入する際は、「専用バッテリー」を使用するのか、「どんなバッテリーでもよい」のかを確認してみましょう。使用バッテリーはPSEマーク付きのものだと安全性が高いといえます。
バッテリー選びや使用方法の注意点は、以下も参考にしてください。 消費者庁「モバイルバッテリーの事故に注意しましょう!」

電熱ベストの選び方3. 温度調節機能がついている

電熱ベストを選ぶ際、温度を自分で調整できる機能があるか確認してみてください。電熱ベストを着ていると、体温が急上昇しやすくなります。内蔵のコントローラーなどで3〜4段階ほど調整できるようであれば、快適に着られるでしょう。
また低温やけどや脱水症状にならないよう、こまめに温度を調整しておくと安心です。

電熱ベストの選び方4. ベストが丸洗いできる

電熱ベストの中には、洗えるものと洗えないものがあります。衛生面上、洗える電熱ベストを購入するのがおすすめです。発熱体がまるごと取れる電熱ベストは、洗濯機で洗えるものも。しかし一般的には、バッテリーを取り外して手洗いするものが多い印象です。バッテリーは水に弱いので、絶対に洗わないようにしましょう。

電熱ベストの選び方5. 温度制御システムがついている

電熱ベストは、電熱線の断線などによってヒーター部分が急に発火する可能性がゼロではありません。そのためベストが異常な高温になった際に温度制御システムが働いて、発熱が停止するような温度制御システムがついていると安心です。
しかしそこまで高機能な電熱ベストは販売されていないようです。高機能をつけると価格も上がってしまうので、開発するのが難しいのかもしれません。

カーボンナノチューブを使った「CNTフィルムヒーターシステム」で解決!

暖かくて便利な電熱ベストを使いたいけれど、安全性がやや心配…。そんな方に知っていただきたいのが、新しい温熱素材を使ったヒーターシステムです。それはJERNANOが開発・提供している「CNTFヒーターユニット」。
CNTとは「カーボンナノチューブ」という、炭素の編み目でできた極細のチューブ素材です。この素材をフィルム状にしたのがCNTFヒーターユニット。発熱体はこれまで電熱線がメジャーでしたが、この電熱線に代わる素材として注目を集めています。
ではCNTFヒーターユニットにはどんな特徴があるのでしょうか。解説していきましょう。

設定温度まで約1秒。非常に早い面状発熱

CNTFヒーターユニットは、フィルムの一端に電流を通すと一面が同時に発熱する「面状発熱」です。
電熱線は線状発熱なので、一面を暖かくするために電熱線を折り曲げて配置する必要がありました。商品によってはその線によってゴワゴワ感があることも。しかしCNTフィルムヒーターシステムなら、ゴワゴワする原因がなくなります。
またCNTFヒーターユニットのスイッチを入れると、約1秒で設定温度まで到達します。この圧倒的な速さによって、寒い時間を極力短縮できるのが魅力です。

低温やけど回避機能や温度制御システムがある

先ほど「温度制御システムのある電熱ベストがあまりない」と書きましたが、CNTFヒーターユニットには低温やけどを回避するような機能や、異常な温度を検知する温度制御システムが搭載できます。
よってCNTFヒーターユニットで電熱ベストを作れば、安全性の高い製品が出来上がるのです。

スマホやスマートウォッチによる遠隔操作が可能

従来の電熱ベストは、ポケットやベストの裾部分などにコントロールボタンがついている製品が多いです。しかしこのボタンがついているとごわついたり、操作がしにくかったりします。
CNTFヒーターユニットはBluetoothに対応しており、スマホやスマートウォッチによって遠隔操作が可能です。よって操作しにくい内蔵ボタンとはおさらばできます。

40回以上水洗いできるヒーター

電熱ベストは丸洗いできる製品がまだそこまで多くありません。一方CNTFヒーターユニットは、ヒーターが内蔵された状態で丸洗いが可能です。実験では40回以上の水洗いに耐えられました。
CNTFヒーターユニットによる電熱ベストなら、洗濯機で遠慮なく洗って使える製品ができるかもしれませんね。

まとめ

電熱ベストはその暖かさから人気が高い製品です。しかしヒーターやバッテリー部分の発火や、長時間の使用による低温やけどなど、さまざまなリスクも抱えています。
安全な製品を選ぶためにも、値段よりも安全性を重視し、温度調整機能が優れた製品などを選ぶといいでしょう。将来はCNTフィルムヒーターシステムを使った電熱ベストが普及するかもしれません。 今後も安全性の高い電熱ベストを活用して、寒い時期を快適に過ごしましょう。

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